個人事業主、フリーランスとして開業する際に必要なこと

Agenda
更新日時

 

個人事業主、フリーランスとして開業する際に、まずは税務署に開業届を提出する必要があります。

『開業届』って聞くと難しい書類のイメージがありますが、内容は特に難しいものではありません。

税務署での処理は窓口に提出するのみです。実際に私が税務署に提出した際は5分とかからず受理されました。

ひとまず個人事業主としての開業手続きについてはあまり難しいことはありません。

当たり前かもしれませんが開業した後のほうが大変です。

 

個人事業主になった後の税金は?保険は?年金は?

どんなことなら経費扱いにできるの?

基本契約書に必要な印紙税額、注文請書に必要な印紙税額は? 等々わからないことだらけです。。。

ある程度事前に学習していても日々の実践で学ぶことが多いです。

本記事では、私が開業届を提出する際に行ったことを簡単にご紹介できればと思います。

 


開業届を提出する前に準備したこと


私の場合は、会社員から個人事業主となったため、退職前の有給休暇消化期間中を利用して、主にネット、書籍等で情報収集から始めました。大まかに調べた内容は以下の通りです。

 

  • 開業するにあたって必要な書類、提出期限、確定申告
  • 管轄の税務署
  • 法人と個人事業主の違い
  • 所得税、事業税、経費扱いになるものならないもの、所得控除可能なもの
  • 国民健康保険(ほかに入れる保険は?)、国民年金(個人向けの厚生年金のようなものは?)
  • iDeCo、小規模企業共済、付加年金
  • 契約の種類(業務委託契約という契約種別は無い => 内容によって準委任契約か請負契約となる)
  • 基本契約書、注文請書に必要な収入印紙
  • 会計ソフト(freee, Money Forward, 弥生会計など)
  • 屋号の付け方
  • 印鑑、屋号付きの銀行口座の開設方法
  • フリーランス向けエージェント(レバテック、ランサーズエージェントなど)
  • フリーランス協会の会員特典(会計ソフトの優待、情報漏洩等発生時の賠償責任に関する保険など)

 

個人事業主として活動するにあたり、開業するために必要な書類についてはもちろんですが、税金や保険、老後の年金に関する知識は押さえておいたほうが良いと思います。個人事業主は厚生年金へ加入できませんので、個人事業主でも厚生年金に加入できるなどと謳う詐欺サイト等にはご注意ください。

 


『開業届』について


フォーマットは国税庁HPからダウンロードすることが可能です。

[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続

開業届への記述内容としては以下のような内容になります。

  • 開業者の氏名・住所・マイナンバー等
  • 仕事の概要
  • 事業開始予定日
  • 働く場所 ※ ほとんどの方は自宅が多いと思います。
  • 屋号(任意)

税務署への提出タイミングにつきましては、開業日から1か月以内になります。ここでいう開業日は開業届にも記載しますが、自身が開業すると決めた日になります。

これから開業される方は上記開業届の他に、以下の書類をまとめて提出することをお勧め致します。

提出先の税務署は、開業届に記載する「働く場所」で異なりますので、ご自身の管轄税務署がどこになるのか、住所から予め調べておくと良いと思います。

 

[手続名]所得税の青色申告承認申請手続

[手続名]青色事業専従者給与に関する届出手続

 


『口座』について


可能であれば個人事業主としてのお金の管理を個人のお金の管理から分離するため、口座も新しく用意したほうが良いと思います。

 

口座を用意する際に屋号付きの口座を開設される方は、予め印鑑も作成しておくと良いと思います。

  • 代表者印
  • 銀行印
  • 角印
  • 個人の認印

破損のリスクを低減するため印鑑はできるだけ素材の丈夫なものが良いと思います。(チタン、アグニ等)

万一落下したりして欠けてしまうと、印鑑の再作成が必要になります。印影が変わってしまうので、銀行印の場合は届印の変更手続きが必要になりますし、代表者印の場合はお取引先との各種書類を再作成が必要になる可能性があります。

最近はネットで注文することができ、早ければ即日発送というものもありますが、素材の固いものは日数がかかりますので、早めに用意すると良いと思います。

 

なお、屋号付きの口座を開設する際には、銀行印と開業届の控え(税務署の押印有のもの)原本、それから実際に事業を始めたことがわかるホームページ(HP)や事務所宛の郵便物などが必要になります。

私の場合は開業届を提出した後に銀行でそのまま口座開設を行ったため、HPや郵便物はありませんでしたが、開業届の控え原本のみで口座開設することができました。

 

なお、銀行も最寄りの支店で開設する必要がありますので、『どうせなら本店で開設しよう』と思って遠出しても、受理して頂けないと思います。

正確な情報につきましては、予め各銀行のWebページや窓口にて個人事業主の口座開設について調べておくと良いと思います。

 


『青色申告承認申請書』について


『青色申告承認申請書』とは、確定申告を『青色申告』で行うことを申請するための書類です。

確定申告には『白色申告』と『青色申告』の2種類があり、『青色申告』のほうが所得控除額が多く、基本的には節税となるためお得な申告方式になります。

ただし、開業日から2ヶ月以内もしくは1月1日~3月15日までに申請が必要になります。

それを過ぎてしまうと翌年まで青色申告にすることができず、当該年は白色申告しかできなくなってしまうので注意が必要です。

また、青色申告の申請を行えば単純に所得控除額が増えるのではなく、特典を受けるためにはしっかりとした帳簿をつける必要があります。詳細については国税庁のWebページに記載があります。

 

No.2070 青色申告制度

No.2072 青色申告特別控除

 

なお、青色申告の申請は毎年行うものではなく、申請以後は基本的に青色申告で継続となります。

申告書にも令和○年以後の申告について~と記載があります。

 


『青色事業専従者給与』について


開業者の方がすでにご結婚されていたり、家族と同居してされているなどした場合において、家族にこれから始める事業のお手伝いをお願いしようと考えている方は、家族へ給与を支払うことが可能です。

ただし、開業者が青色申告者であることと、事前にお手伝いされる家族の方が基本的に他の仕事には従事しておらず、開業者の仕事をお手伝いする『専従者』である必要があります。

また、税務署へ事前に届出が必要であり、書類に記載した以上の金額の給与を支払うことはできません。

もしお手伝い可能な家族がいらっしゃる場合は、専従者給与は経費になりますので、事業者の課税所得が抑えられることにより節税効果があります。

詳細については青色申告と同様に国税庁のWebページに記載があります。

※ 経費として計上可能な条件にもっぱら事業主の事業に従事しており、6か月以上従事している等々の条件がありますので、国税庁のWebページでよくご確認ください。

 

No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除

 

その他、青色事業専従者給与を支払う事業主の方は、管轄の市区町村へ給与支払報告書(総括表、個人明細)を提出する必要があります。

確定申告については年末調整を行っている会社員の方も知っていると思いますが、給与支払報告書については知らない方が多いのではないでしょうか?

給与を支払う方は法人、個人問わず上記の給与支払報告書を提出する必要があります。

こちらは税務署への提出ではなく市区町村への提出となりますので、注意が必要です。

しかも、提出時期は給与を支払った年の翌年1月31日までに提出が必要であり、確定申告が始まる半月前に締め切りです。

 


クラウド会計ソフトについて


開業届、青色申告、専従者給与等々、一つ一つの書類はフォーマットを見て頂ければわかる通り、特別難しいものではありません。しかしながら、1つ1つ作成するのは手間であったり、より簡単に作成したい場合は、クラウド会計ソフトの「freee」がお勧めです。開業に必要な書類をいくつかの質問に答えて画面入力することで揃えてくれる無料の機能があります。

そのままfreeeを会計ソフトとして利用継続しても良いですし、開業届等を作成した後は別の会計ソフトに乗り換えても良いと思います。

 

私は「Money Forward」を利用することにしました。どちらも人気の会計ソフトで、そのままfreeeでもよかったのですが、たまたまMoney Forwardの書籍を手にすることになり、Money Forwardにしました。その他有名どころでは「やよいの青色申告オンライン」などがあります。

 

なお、フリーランス協会などの会員になりますと、各種会計ソフトの利用特典であったり、賠償問題が発生した際の保険であったり、便利なコンテンツサービスが含まれているので、開業する前に一度チェックしておくことをお勧め致します。

 


エージェントについて


フリーランス向けに案件を紹介して頂けるエージェント会社を利用すると自分一人で営業をするのに比べ、多数の案件に巡り合うことができます。

レバテック、ギークスジョブ、フォスターフリーランス、ランサーズエージェント、ハイパフォーマーなどたくさんの会社があります。

それぞれ取り扱い案件に違いがありますので、一般的には複数社に登録して利用すると良いと思いますが、たくさん登録すれば良いというものでもありませんので、支払いサイトの短いところや単価の高い案件を多く扱っているなど好みにあわせて2,3社に登録しておくと良いと思います。

 


印紙代について


 

注文書に対し、注文請書を作成する場合や基本契約書を締結する場合などに印紙税が生じる場合があります。

 

基本的に電子メールの添付ファイルで請書を送付し、原紙は発行しない場合など、いわゆる電子発注、電子契約といった場合には印紙税が発生しません。

紙で請書を発行する際は、契約金額や契約期間等でも変わりますが大抵の契約金額では200円の印紙税が発生します。

紙で基本契約書を締結する際は、準委任契約の内容であれば印紙税が発生することはありませんが、請負契約の場合や複合型の契約内容になっている場合は1部につき4000円の印紙税が発生します。

詳細は国税庁のWebページをご確認ください。

業務委託契約においては準委任契約か請負契約のいずれかになると思いますので、第2号文書、第7号文書あたりが該当する書類だと思います。

著作権譲渡など行う場合は1号文書が該当します。契約金額等に応じた印紙税額が記載されています。

印紙税

No.7100 課税文書に該当するかどうかの判断

No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで

カテゴリ